今回は、岸見一郎、古賀史健著「嫌われる勇気〜自己啓発の源流「アドラーの教え」〜」というベストセラーからの内容です。最近、てんびんカイロプラクティックに通われている方と、同書についてお話ししました。そこで、旧ホームページで一昨年書いた内容から、少し書き直してみました。よかったら、読み進めてみてください。
全ての悩みは人間関係にある
心理学者のアルフレッド・アドラーは、「人間の悩みのすべては対人関係にある」と提唱しました。その背景には、私たちが「課題の分離」を十分に理解できていないことがあるとされています。
例えば、子どもが勉強しない場合を考えてみます。
アドラーの視点では、勉強するかどうかは子どもの課題であり、親の課題ではありません。
親が無理に勉強を強制したり、勉強しないことを叱ることで、子どもはかえって勉強に対する抵抗感を抱くことが多いです。結果として、親子関係が悪化することもあります。
親は「子どものために」と思って行動しているつもりでも、実は無意識のうちに世間体や見栄、子どもへの支配欲などが影響している可能性もあります。
アドラーの「課題の分離」を実践するならば、親は子どもに「勉強しないとどのような影響があるのか」や「勉強の楽しさ」を冷静に伝え、必要なときには支援できる立場でいることが重要です。
変えられるのは自分のみ
他者を変えることはできません。変えられるのは、自分の行動や接し方だけです。そのため、子どもが自ら勉強したいと思えるように話し合ったり、学習しないことでどのような未来があるのかを一緒に考えることが大切です。教科の勉強以外にも、自分の進む道について考える機会を作るのも良いかもしれません。
また、子どもが勉強をしない背景には、内容の理解が追いついていない、学習方法が分からないといった理由がある可能性もあります。その場合は、適切なサポートをすることも親の役割といえるでしょう。
意欲ややる気を引き出す
「見守る」という行為は、時に時間がかかり、遠回りに思えることもあります。しかし、子ども自身が学ぶ意欲ややる気を持ったとき、その成長はとても力強いものになります。この考え方は、人によっては、冷たいと思われるかもしれません。確かに、実際に実践するのは簡単ではありません。
まとめ
私自身も、子どもとの関わりの中で、つい「課題の分離」ができずに接してしまうことがあります。しかし、アドラーの教えに基づけば、子どもや後輩、部下の「自分の課題」を尊重し、「必要なときに支援できる」という心構えを持つことが大切です。
もしかすると、「課題の分離」という考え方は、先日書いた「アイメッセージとユーメッセージ」のように、主語を適切に使い分けることとも関係しているのかもしれませんね。
参考文献: 『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』